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——『SWEETS by NAKED』で今回村松さんとユーグさんがコラボレーションする、チョコレートの仕立屋さん『Chocolate Tailor』について教えて下さい。

※チョコレートの仕立屋さん『Chocolate Tailor』のイメージ図

村松氏
『Chocolate Tailor』は、僕の演出とユーグさんのチョコレートを組み合わせてつくる、洋服の仕立屋さんがまるでチョコレートに変化したような「チョコレートの仕立屋さん」です。ここは、鏡の前にたつと、自分が採寸されているような体験が楽しめる空間になっています。服の色や背の高さによって、その人にぴったりなチョコレートが選ばれ、それがチョコレートの指輪となってプレゼントされます。

ユーグ氏
チョコレートを指輪にするアイディアは、とても面白いですよね。『Chocolate Tailor』でお客さんに提供するチョコレートの一つに、「スフェール」というチョコレートがあるのですが、『SWEETS by NAKED』限定でハートの形のものを作りたいなと考えています。ハートには、可愛らしい女の子の気持ちが表現されているので、そういう意味でも、味はストロベリーにしたいですね。フランス産の苺を使った、ピンク色のワクワクするようなチョコレートを作りたいと思っています。今、着色料は使わずに、果実や野菜の粉で色を付けて、より自然界の色を表現することにもチャレンジしています。 今回『Chocolate Tailor』でプレゼントするチョコレートは、指輪なので、宝石のように表面にツヤのあるものを用意しますよ。ツヤは温度の変化によってすぐに変わってしまうものなので、職人にとって難しい作業になりますが。

村松氏
「スフェール」の宝石のような輝きは、職人さんたちの努力から生まれていたのですね。 僕はスイーツが好きでよく食べるのですが、味だけでなく、パティシエの方は見た目の部分もこだわっていますよね。それこそ可愛いクッキー缶などもそうですが、入れものによって、中を開ける前のワクワクする気持ちが生まれたり。ハートは、まさに可愛らしいという意味合いでは一番ストレートな表現ですよね。スイーツという題材自体も、可愛らしい女の子の夢が詰まっているものなので、そこはど真ん中を外してもしょうがなくて。

ストレートな表現というのは、ある種、それが持つ不変性を表現することと関係性があると僕は思っています。ただ新しいだけでなく、本質的な魅力をどう守って、何を新しくしていくのか、考えなければならないです。ちゃんと届けていくために、不変的な部分をまず知ることと、そこに対して敬意を払うことで、より新しいものへと進化させていきたいと考えています。

ユーグ氏
パティシエは味だけでなく、見た目にも一番といっていいほどこだわっていますね。ただ、あまり難しい見た目のものを提供すると、お客さんの中で、見ているものと口に入れたものの違いがありすぎてしまうので、あまり斬新になりすぎないように、あくまでも見た目が口の中に入ってきた時の味と一致するようにと心がけています。そういう意味では、私たちはチョコレートを全て手作業でつくることにもこだわっています。パティシエにとって手作業でつくることは、自分たちの手で表現をするという意味で、とても重要ですから。

実際にこのチョコレートの指輪も手作業でつくるので、宝石のような輝きをつくれるのかはチャレンジになると思っています。チョコレートはとても敏感で、特に温度の変化や触ったりすることで、すぐに見た目が変わってしまいますが、日本人の皆さんはとても繊細なので、ここは細やかな注意を払ってクリアすることができるでしょう。フランス人ではないので、全然心配していないです(笑)

村松氏
チョコレートの指輪もそうですが、このスイーツの街をつくること自体、僕にとっても非常にチャレンジなんです。『SWEETS by NAKED』は空想のなかの世界ではなくて、明るくなる時間帯、夕暮れの時間帯、夜の時間帯という時間の変化もつくりたいなと思っています。時間の動きがある、現実世界に生み出すスイーツタウンにしたいですね。

※『SWEETS by NAKED』の世界観イメージ図

今回村松さんとユーグさんが対談したお部屋は...

日本の玄関口・品川にある グランドプリンスホテル新高輪 の客室「ザ・クラブスイート」。 『SWEETS by NAKED』の”SWEET”にちなんで、”スイート” ルームで対談を行いました。

【客室概要】

グランドプリンスホテル新高輪における最上級のルームカテゴリー。禅(ZEN)のスピリットをとりいれた、落ち着いた雰囲気のある空間です。

■チェックイン 2:00P.M.より/チェックアウト 11:00A.M.まで
※8:00P.M.~8:00A.M.はフロント(1F)にて承ります。

フロア名 ザ・クラブフロア(15F・16F)
面積 67.0㎡
ベッドサイズ 1,420㎜×2,080㎜

グランドプリンスホテル新高輪では
「SWEETS by NAKED」の鑑賞チケットが
付いた宿泊プランを発売中!

詳細はこちら

Profile

ユーグ・プジェ

Hugues Pouget

「ガストロノミーレストランに出てくるようなスイーツ店をオープンしたい」との思いから「HUGO & VICTOR」をオープン。素材を最も重視し、自ら見つけた新鮮な食材や季節のフルーツを農園から直接仕入れるなど、食材や生産者に対して敬意を払いつつ、納得いくまで素材を厳選している。

<経歴>日本でも有名な「LADURÉE」や 5 つ星ホテルである「THE BRISTOL」でキャリアを積み、「Hotel Normandy」でシェフ・パティシエを経験。その後、名門三ツ星レストラン「Guy SAVOY」のパティスリー・エグゼクティブ・シェフに就任。2003 年、Champion de France des Desserts にて優勝。2010年には自らのブランド「HUGO & VICTOR」をパリにオープンをする。

村松 亮太郎

Ryotaro Muramatsu

クリエイティブカンパニーNAKED Inc.代表。大阪府堺市出身。TV/広告/MV/空間演出などジャンルを問わず活動。 長編/短編作品と合わせて国際映画祭で48ノミネート&受賞している。代表作として、東京駅3Dプロジェクションマッピング『TOKYO HIKARI VISION』。近年では、花の体感型イベント『FLOWERS BY NAKED』を開催しており、これまでのイベント通算動員数は130万人を超える。2016年5月には、市川染五郎主演の歌舞伎ラスベガス公演"Panasonic presents Wonder KABUKI Spectacle'KABUKI LION’ ”の空間創造を手掛ける。アーティスト本&作品集「村松亮太郎のプロジェクションマッピング SCENES by NAKED」がKADOKAWAより発売。